勉強に対する基本的な考え方に、日本と台湾の間で大きな違いはありません。経済的な発展期ということもあり、教育すなわち人材の育成に力を入れており、とりわけ理数系科目の教育や英語教育には日本以上に力を入れています。
日本国内の学校では、勉強のほかにも音楽やスポーツなど、数多くの分野で才能を称賛される場面がありますが、台湾の学校には部活動はほとんどなく、勉強以外で認められる場面が限られています。そのため、台湾の子どもたちは勉強をやらざるを得ない状況にあり、日本以上に勉強熱心で勤勉であることがうかがえます。
台湾では小学校での英語教育も日本に先立って導入されているほか、小学校での定期テストとその結果による順位付け、さらに毎日大量の宿題が課されるなど、早期からの学力養成を国策として取り組んでいます。また、アジア大学ランキングの常連でもある国立台湾大学、国立清華大学、国立交通大学などの一流大学への進学熱が高く、欧米や日本の大学への留学も盛んに行われており、その背景には、子どもが自発的にというよりも、勉強しないと未来がないという焦燥感があるとも考えられます。
国際社会の厳しい競争の中で生き抜けるように子どもたちを教育したいという気持ちは、日本のみならず、台湾の家庭でも共通しています。ただ、その過程で厳しい競争の中に呑み込まれ、自分のよいところを見つけられず、挫折感を抱えたまま人生を終えてしまうことのないように導くのもまた、教育が果たすべき役割ではないでしょうか。
こうした状況の中、日本以外の国々でも「一人ひとりにあった教育を広めたい」という信念のもと、やる気スイッチグループは2008年に台湾へ進出しました。現在、台湾国内に合計55教室※を展開し、台湾最大規模の個別指導学習塾として広く知られるようになりました。中華圏へ事業展開するために現地の調査を重ねた当初、大変興味深いトピックが見つかりました。儒学の一つである朱子学では、もともと「一人ひとりの能力、才能を生かす」という考えが根本にあるということです。この考え方は、やる気スイッチグループが目指している「個性を大切にした教育」と相通じるものです。
個性を尊重する教育を行うために、やる気スイッチグループでは国内でさまざまな教育システムを開発してきました。中でも個性や学力を客観的に把握する独自の診断システムは、日本国内だけではなく、台湾でも活用できる汎用性の高さが特長です。それにより、社会に蔓延する過度な高学歴主義による弊害を緩和できるかもしれません。
一人ひとりの能力を活かせる社会が、日本のみならず世界中で広がるように、やる気スイッチグループの海外展開を積極的に進めています。※2024年2月末時点